宮古島「第10回なりやまあやぐまつり」で司会をさせて頂きました

「なりやまあやぐ」は宮古島を代表する宮古民謡のひとつ。
島の人は誰もが口ずさめるほど、とても親しまれている島の唄です。

※宮古民謡「なりやまあやぐ」の詳細はコチラをどうぞ。
しまうた連載『恋ししまうたの風』第5回「なりやまあやぐ」宮古島

宮古島・友利集落インギャーマリンガーデン内にある「なりやまあやぐ」の歌碑

宮古島・友利集落インギャーマリンガーデン内にある「なりやまあやぐ」の歌碑。「なりやまあやぐまつり」当日は朝8時から歌碑の前で宮古民謡「なりやまあやぐ」が斉唱奉納されます。

宮古民謡「なりやまあやぐ」発祥の地、友利集落で開催される「なりやまあやぐまつり」は、地域の伝統文化継承と地域活性化を図り、誰もが参加できるまつりとして、宮古人(みゃーくぴすとぅ)の肝心(つむぐくる)を唄い踊るイベントです。

まつりのメインは「なりやまあやぐ大会」。
宮古民謡「なりやまあやぐ」の唄三線の腕前を競い合い、優秀な唄い手さんに賞が贈られます。
小学生以下の「子供の部」、中学生以上の「一般の部」とあり、一般の部は予選会が行われます。

今年2015年で10回目を迎える「なりやまあやぐ大会」、子供の部は8名が出場。
一般の部は58名のなかから見事予選を通過した19名によって本選「なりやまあやぐ大会」が行われました。

特筆すべきは、友利の人々を中心に、インギャーの海に浸かりながら、この日のためだけの組み上げられた海上ステージ。
一年に一度だけ姿を現す海上ステージの後ろにそびえる御神山(うがんやま)には、1000本あまりの手作りのロウソクに火が灯されます。

この日のためだけに造られた海上ステージ。夕暮れ時に予選を勝ち抜いた唄者さんの唄三線が響き渡ります。

この日のためだけに組み上げられる海上ステージ。夕暮れ時に予選を勝ち抜いた唄者さんの唄三線が響き渡ります。写真は「第6回なりやまあやぐまつり」です。

「第10回なりやまあやぐまつり」プログラム

2015年10月10日開催「第10回なりやまあやぐまつり」プログラム

前夜からあいにく雨が降り続き、当日の予選会も小雨のなか開催されました。
過去、「なりやまあやぐまつり」は台風で延期となったこともあり、誰もが祈るような気持ちで雨を気にしていました。

やがて、皆の想いが天に届いたかのように、本番前、見事に雨が上がりました。
「雨が上がって本当によかった!」
「やっぱり、神様はいるんだね!!」
誰もが「神様が見守ってくれている」と実感しているようでした。

宮古島友利の獅子舞@なりやまあやぐまつり

友利獅子舞保存会による獅子舞の座開き。

「第10回なりやまあやぐまつり」子供の部。小学校3年生から6年生までの子どもたち8名が出場しました。

「第10回なりやまあやぐまつり」子供の部。小学校3年生から6年生までの子どもたち8名が出場しました。

第10回、安積美加は司会でお招き頂きました。司会からみえていた情景です。雨上がりでまだ観客もまばらですが、時間とともに会場は多くの人々で溢れかえりました。

第10回、安積美加は司会でお招き頂きました。こちらの写真は司会者がみていた光景です。雨上がりでまだ観客もまばらですが、時間とともに会場は多くの人々で溢れかえりました。

海上ステージの前にはサバニが浮かべられています。子どもたちも堂々と「なりやまあやぐ」を唄いました。

海上ステージの前にはサバニが浮かべられています。子どもたちも堂々と「なりやまあやぐ」を唄いきりました。

夕方5時半頃からスタートした「なりやまあやぐ大会」。
生まれも育ちも沖縄本島で糸満から子供の部に出場した女の子、県外からお越しの大人の唄者さん、大きなステージで緊張した人、頬に海風を受けながら気持よく唄えた人、個性豊かなそれぞれの「なりやまあやぐ」がこだましました。

「第10回なりやまあやぐ大会」
子供の部 御神山賞 葉山実戸さん
一般の部 なりやまあやぐ大賞 亀川貴敏さん
おめでとうございました!!

引き続き、10回大会を記念して歴代優勝者による「グランドチャンピオン大会」が開催。
所用で参加できない第1回優勝者をのぞき、第2回から第10回までの9名の歴代優勝者による「なりやまあやぐ」がインギャーに響き渡りました。
さすが歴代優勝者とあり、どなたも風格があり、甲乙付け難い「なりやまあやぐ」でした。
見事グランドチャンピオンに輝いたのは、なんとこの第10回大会で優勝したばかりの亀川さんでした。

「なりやまあやぐグランドチャンピオン」
第10回なりやまあやぐ大賞受賞 亀川貴敏さん
おめでとうございました!!

風が強く、途中パラパラと雨が頬を打つこともあり、開催中ずうっと雨を気にしていましたが、なんとか最後まで雨はもちました。これこそ神様ありがとう! 感謝! です。

今回は10回大会を記念して、会場のすぐ近くから特別に花火が上げられました。

ヒュ~、ヒュ~、ドーン、ドドーン。

これほど間近で花火を見る機会はそうそうありません。
「ドーン」「ドーン」という打上げ花火の音は、御神山に跳ね返っていっそう大きな音と振動で響き渡り、花火をさらに迫力あるものにしていました。
世帯数200ほどの小さな集落の花火は、きっと2~3分、すぐに終わるだろう。そう思いつつ、ステージ上の唄者さんたちも、観客のみなさんも誰もが夜空に輝く花火を魅入っていました。

ヒュ~、ヒュ~、ドーン、ドーン。
ヒュ~、ヒュ~、ヒュ~、ドーン、ドーン、ドドーン。

次々に上がる花火は一向に終わる気配がありません。

ヒュ~、ヒュ~、ヒュ~、ドーン、ドーン、ドーン。
ドーン! ドーン!

「わぁー!!」「キレーイ!!」
特に大きな花火が夜空を染めるときには、会場から歓声とどよめきがあがりました。

10分を経過しても、止まるところを知らないかのように色鮮やかな花火がどんどん続きます。
「こんなに長い時間、これほど立派な花火が上がるなんて」思ってもいませんでした。

予想を遥かに超えたあまりにも豪華な、いくつ上がったのか数えきれない花火を眺めていると、
「海の上にステージをつくる。1000本あまりのロウソクを準備する。協賛を集める。警察、消防、漁協に許可をもらう。
とにかく並大抵のイベントではないのに、よく10回まで続けてきてくれたなぁ。
この花火の数は、美しさは、準備からずっと大変な想いで作業を積み重ねてきた友利の人々の“なりやま”に対する熱い想いなんだ。
この花火は友利の人々の想いそのものなんだ」
そう思えて、胸がいっぱいになりました。

幻想的なステージは唯一無二。

幻想的なステージは唯一無二です。

宮古島の一集落・友利の人々による手作りの「なりやまあやぐまつり」。
1000本あまりのロウソクが漆黒をやさしく照らすなか、静かな波音をBGMに、唄と三線が響き渡る世界。
こんなに幻想的なステージはきっとどこにもないでしょう。

来年もまた友利のみなさんの笑顔に会いに行きたい。

友利のみなさん、ありがとう! まいふか~!!

 

 

Photographs by 佐藤和浩&安積美加
Text by 「第10回なりやまあやぐまつり」司会・安積美加

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